w-8ben-eの書き方を日本語で詳しく解説【最新版に完全対応!】

スポンサーリンク

法人向けのw-8ben-eが新しくなりました。2022年の5月1日以降は新バージョンに対応した書類を提出しなければいけません。

2022年の5月以降に従来の古いバージョンで提出してしまうと書類の再提出を求められます。再提出を求められた30日以内に要件を満たしていないとブラックリストに入れられてしまい税金の免除を受けれなくなるので注意が必要です。

このサイトでは新しいバージョンに完全対応したw-8ben-eの書き方を詳細に解説していきます。

w8ben-eは法人向けの書類のためかなり複雑です。全8ページあり全て英語です。そのw-8ben-eをなるべくわかりやすく解説できるよう心がけています。

それではw8ben-eについて解説します。

w8ben-eの説明は不要!早く書き方を見たい!という方はこちらからどうぞ💁‍♀️

スポンサーリンク

w-8ben-eについて

正式名称はForm w-8ben-eで日本語訳するとw-8ben-e書類です。

w-8ben-eは日本の法人🇯🇵がアメリカ企業🇺🇸から収益を受ける場合に提出する書類です。法人の所在地を確認するための書類でアメリカ🇺🇸の法人ではないことを証明するために提出しなければいけません。

つまりアメリカの法人🇺🇸はアメリカに日本の法人🇯🇵は日本に税金を納めましょうという取り決めです。この取り決めは日米租税条約によって定義されています。

w8ben-e書類を提出すると最大30%の源泉徴収が免税されます。つまりアメリカ🇺🇸に支払うはずの税金が免税されます。

※ここでの注意点はアメリカ🇺🇸で免税になっても日本🇯🇵では日本の税金を支払わなければいけない点です。

w8ben-eを提出しないとどうなる?

w8ben-eを提出しないとアメリカ🇺🇸で免税にならず日米🇯🇵🇺🇸両国に2重の税金を支払わなければいけません。

日本の税金が最大で30%だと仮定した場合、アメリカでも最大で30%支払わなければならず合計で最大60%の税金を支払うことになるでしょう。

w8ben-e書類の提出は得することはあっても損することはないので提出することをおすすめします。

たとえ提出しなくてもいい状況(収益を得なくなった場合)でも再提出は自由ですが1セントでも収益を得てしまうと提出しなければいけません。最大30%の税金が課せられてしまう状況を考えると半永久的に提出し続けることが正しいかと思われます。

法人として銀行・証券の外国口座を開設している場合は取引によって1円も利益が生じていない状況でもw8ben-e書類は提出し続けなければいけません。

これは利用している銀行や証券会社によってアナウンスがあります。最近では外国口座の開設時にw8ben-eの提出を義務付けている場合も多いので提出し忘れる可能性は低くなってきています。

w8ben-eを提出しなければいけない人は?

日本の法人がアメリカの企業🇺🇸から収益を得る場合に提出します。

✅具体例としては日本の法人がアメリカ🇺🇸の銀行・証券口座を取得する場合、銀行や証券会社から利子・配当を得た場合、アプリをApple StoreやGoogle Play等で販売する場合、アメリカの広告会社から収益を得る場合です。

アメリカの不動産を所有していて賃料収入を得た場合、電子書籍や電子コンテンツをアメリカのアマゾンで販売する場合等も該当します。

AppLovinから提出を求められた際にも提出します。

w-8benとw-8ben-eとの違い

個人が提出する場合はw-8benで、法人として提出する場合はw-8ben-eになります。

以前までは個人も法人もw8benで提出していましたが、2010年3月に外国口座税務コンプライアンス法が制定されたのを機に個人はw-8ben、法人はw-8ben-eに分割されました。

w8ben書類は1枚に対してw8ben-e書類は8枚もあります。書類の記入方法は複雑ですが一度書き方を覚えると再提出の際も簡単に記入できるようになります。

w-8ben-eの有効期限について

w-8ben-eの有効期限は提出した日から3年間です。以後3年ごとに更新(再提出)する必要があります。

asokoga
asokoga

有効期限に関する特殊な例をご紹介します。

例えば2022年の12月31日にw8ben-e書類を初めて提出した場合ですが

後日書類の不備を理由に再提出を求められるということもありえます。再提出した日が2023年の1月1日だとして、その再提出が認められればその際の有効期限は2026年12月31日までになります。

更新期限も存在していて有効期限が切れた1ヶ月後までが更新期限になります。

実際の例で言うと2022年の6月1日にw8ben-e書類を提出した場合、2025年の12月31日まで有効です。

更新(再提出)期限はその1ヶ月後の2026年1月30日までになります。

再提出期限を1日でも超えてしまうと税金の免税はされなくなりますので早めに手続きをされることを推奨します。

基本的には更新期限が近づくと再提出を促すメールがw8ben-e書類を提出したサイト等(例:Apple,AppLovin,Amazon等)から送られてきます。

期限切れが心配な方は更新期限が近づくだいぶ前に余裕を持って再提出することも可能です。例えば更新期限が2023年1月30日だとすれば、2022年の8月頃には再提出を終わらせてしてしまうという方法です。

※ただしその場合は有効期限に注意してください!

2023年の1月に更新した場合は2026年の12月31日までが有効期限になります。

2022年の8月に早めに更新した場合は2025年の12月31日までが有効期限になります。

つまり新年の1月に再提出をした方が最大1年長い期限になるということです。

再提出する頻度を最低限に抑えたいのであれば有効期限が切れた後→更新期限内の新年1月中(この例だと2023年の1月30日まで)に手続きするのがおすすめです。

スポンサーリンク

w-8ben-eの最新版について

2021年の10月にw-8ben-eの最新版が公開されました。

これにより2021年10月1日から2022年4月30日までが従来の古いバージョンで提出できる期間になります。

2022年5月1日からは新バージョンでの提出が必須になりました。今からw8ben-e書類を提出する方は必ず最新版の書類を提出してください。間違って古いバージョンの書類を提出すると再提出を求められるので注意してください。

2022年の4月30日までに旧バージョンで提出した方は通常通り3年後(2022年の4月30日に提出した場合は2025年の12月31日)が有効期限になります。2026年の1月までにその時点で最新版の書類を提出することになります。

最新版のw-8ben-eをダウンロードする

最新版のw8ben-eは以下のリンクからダウンロードできます👇

最新版かどうかの確認方法

ダウンロードしたw8ben-eが最新版かどうかを確認する方法をご紹介します。

w8ben-eの1枚目の左上に(Rev. October 2021)と記載されていれば最新の書類になります。

Rev. October 2021は2021年10月に改訂を意味します。

Rev. July 2017やRev. April 2016と書かれているものは全て旧バージョンになるのでご注意ください。

間違って旧バージョンの書類で提出してしまうと再提出を要求されます。

必ずRev. October 2021と書かれた書類を提出しましょう。

w8ben-eが最新版かどうかの確認方法👇

スポンサーリンク

w8ben-eの書き方

w8ben-eは全8ページありますが全てのページに記入する必要はありません。記入する箇所は❶〜❿までの10箇所です。

記入する箇所を分かりやすいように❶〜❿まで示してあるので下記の画像を参考に書き進めるとスムーズに進められるかと思います。

※ここでご紹介する書き方は一般的な法人の例です。ほとんどの法人はこの書き方で大丈夫ですが、特殊な法人(非営利法人・国際機関・金融口座を持たない投資事業体など…)の場合はほぼ全てのページに記入が必要で書き方も違ってきます。特殊な法人の場合は担当の税理士さんに書類を作成してもらいましょう。書き方が非常に難しいので個人では無理かと思われます。

それでは最新版のw8ben-eの書き方を解説します。

1枚目

w8ben-eの書き方 1枚目
書き方を解説 Part I
w8ben-eの書き方を解説 Part 1
Name of organization that is the beneficial owner

法人の名前を記入します。

株式会社阿蘇古賀の場合↓

(例)Asokoga Inc.

(例)Asokoga Corp.

(例)Asokoga Co., Ltd.

合同会社阿蘇古賀の場合↓

(例)Asokoga LLC →合同会社の場合

asokoga
asokoga

日本の株式会社を英語にする時はInc. Corp. Co., Ltdのどれか1つで記入すれば大丈夫です。

w8ben-eではInc.で記入するのが一般的になっています。

Country of incorporation or organization

法人の国籍を記入します。

(例)Japan

の実際の記入例👇

Chapter 3 Status (entity type) (Must check one box only):

Corporationに☑︎チェックマークを入れます。

の実際の記入例👇

Chapter 4 Status (FATCA status) (See instructions for details and complete the certification below for the entity’s applicable status.)

Active NFFE. Complete Part XXV.に☑︎チェックマークを入れます。

の実際の記入例👇

Permanent residence address (street, apt. or suite no., or rural route).

登記された法人の住所を記入します。

住所を書く欄は全部で3つに分けられているので1つずつ記入していきます。

番地や部屋番号等を記入します。

円山町123456の場合↓

(例)123456 Maruyama-cho

City or town, state or province. Include postal code where appropriate.

次に郵便番号・都道府県・市区町村を英語で記入していきます。

市町村→都道府県→郵便番号の順に記入します。

150-0044 東京都渋谷区の場合↓

(例)Shibuya-ku, Tokyo, 150-0044

Country

住所の国名を記入します。

住所を書く欄はこれが最後になります。

日本の場合↓

(例)Japan

の実際の記入例👇

Mailing address (if different from above)

登記された法人の住所と郵便物の受け取り住所が異なる場合に郵便住所を記入します。

住所が同じであれば記入不要です。

法人の登記住所が郵便住所と異なる具体的な例を挙げると

法人の拠点が複数あって郵便物の受け取りは登記された場所以外で行っている場合などです。

2枚目

w8ben-eの書き方 2枚目
書き方を解説 Part I
U.S. taxpayer identification number (TIN), if required

米国納税者番号を持っていれば記入します。

持っていなければ記入不要です。

b Foreign TIN

法人番号(法人のマイナンバー)を記入します。

※法人番号は法人を設立する際の手続きに必須の番号なので持ってないという方はいないと思いますが、法人番号を記入できない場合は法人の代表者個人のマイナンバー(個人番号)を記入してください。その場合は12桁の個人番号を記入することになります。

法人マイナンバーの場合↓

(例)1234567891011

asokoga
asokoga

w8ben-eの新バージョンからマイナンバーの記入が必須になりました。

マイナンバーを記入しないと書類を提出しても源泉徴収が免税にならなくなりました。つまりw8ben-e書類を提出する意味がなくなるということです。

法人マイナンバーの記入はこの書類のなかで1番重要なので、番号の記入ミスがないか何度も確認しましょう!

の実際の記入例👇

書き方を解説 Part III
14 I certify that (check all that apply):

aの部分に☑︎チェックマークを入れます。

次にThe beneficial owner is a resident ofの右側に法人の国籍を記入します。

日本の場合↓

(例)Japan

次にbのThe beneficial owner derives the item..の左側に☑︎チェックマークを入れます。

Favorable discretionary determination by the U.S. competent authority receivedの左側にも☑︎チェックマークを入れます。

そして最後にcの部分(The beneficial owner is claiming treaty benefits..の左側)に☑︎チェックマークを入れます。

asokoga
asokoga

計4つのチェックマークと法人の国籍を記入します。

の実際の記入例👇

Special rates and conditions (if applicable—see instructions):
asokoga
asokoga

この欄は「日米租税条約に基づいてアメリカでは課税しないでください」ということを伝える項目になります。一般的な日本の法人の場合はここで説明する通りに記入しますが、特殊な法人の場合は違うので税理士さんに相談してください。

The beneficial owner is claiming the provisions of Article and paragraphの右側にArticle 12 para1と記入します。Article 12 para1は日米租税条約の第12条1項を意味します。

(例)Article 12 para1

次にof the treaty identified on line 14a above to claim aの右側に0と記入します。

(例)0

次に(specify type of income):の右側にRoyaltiesと記入します。

(例)Royalties

最後にfor the rate of withholding:の右側にThe company is resident in the Japan and does not carry on business in the United States nor does it have a permanent establishment in the United States.と記入します。

この文章は「この法人は日本にあり米国で事業等を展開していません」という意味になります。

長文なのでコピペして使ってください。

(例)The company is resident in the Japan and does not carry on business in the United States nor does it have a permanent establishment in the United States.

の実際の記入例👇

3枚目

asokoga
asokoga

一般的な法人の場合は3枚目〜6枚目まで全て記入不要です。

7枚目にスキップしてください。

w8ben-eの書き方 3枚目

4枚目

asokoga
asokoga

このページ全て記入不要です。

7枚目にスキップしてください。

w8ben-eの書き方 4枚目

5枚目

asokoga
asokoga

このページ全て記入不要です。

7枚目にスキップしてください。

w8ben-eの書き方 5枚目

6枚目

asokoga
asokoga

このページ全て記入不要です。

7枚目にスキップしてください。

w8ben-eの書き方 6枚目

7枚目

w8ben-eの書き方 7枚目
書き方を解説 Part XXV
Active NFFE

I certify that:の左側に☑︎チェックマークを入れます。

asokoga
asokoga

7枚目の記入部分はここだけです。

✅実際の記入例👇

8枚目

w8ben-eの書き方 8枚目
書き方を解説 Part XXX
Certification

Sign Here▶︎の右側に法人の代表者or責任者の氏名をデジタル署名もしくは電子サインをします。

代表者の氏名が古賀 隼人の場合↓

(例)Hayato Koga

asokoga
asokoga

w8ben-eの新バージョンからデジタル署名もしくは電子サインが必須になりました。

以前までは書類を印刷してサインする手書きサインが可能でしたが、書類偽造防止の観点から手書きサインは廃止になりました。

必ずデジタル署名もしくは電子サインを使用します。

PCで書類を作成する場合はデジタル署名、スマホやタブレットで書類を作成する場合は電子サインがおすすめです。

w8ben-eではデジタル署名(電子署名)が推奨されています。デジタル署名を簡単に説明すると電子サインの上位互換のようなものです。セキュリティが優れているので法人の書類に使用されます。

デジタル署名を詳しく知りたい方はAdobeの記事を参照にしてください↓

【アドビ公式】デジタル署名の概要とメリットを紹介 – Adobe

デジタル署名を使用できるPCソフトはAdobe Acrobat DC・Adobe Acrobat Reader DC等になります。

デジタル署名の設定方法・使用手順はAdobeが解説しているのでそちらの記事を参考にどうぞ↓

【アドビ公式】デジタル署名を利用する方法 – Adobe

iPhoneやAndroid版のAdobe Acrobat Readerではデジタル署名ができません。なのでPCを使わずに書類を作成したい方は電子サイン機能を使用します。その場合、スマホで指やスタイラスペンを使って電子サインします。

Print Name

Print Nameの上に法人の代表者または責任者の氏名を入力します。

代表者の氏名が古賀 隼人の場合↓

(例)Hayato Koga

Date (MM-DD-YYYY)

Date (MM-DD-YYYY)の上に書類を作成した日付を記入します。

日付を月→日→年の順に入力します。

2022年6月3日の場合↓

(例)06-03-2022

の実際の記入例👇

以上でw8ben-eの記入は全て完了しました。お疲れ様でした!

スポンサーリンク

さいごに

w-8ben-eは2021年10月に新しくなりました。その結果、以前のバージョンとは書き方が異なる箇所もあります。

法人マイナンバーの記入とデジタル署名・電子サインは必須項目になったので記入漏れが無いよう何度も確認しましょう。

法人マイナンバーの記入が正しくないと書類を提出しても米国で課税されることになります。せっかく時間を使ってw-8ben-e書類を作成した意味がなくなるので、13桁の法人マイナンバーが正しく記入できているか何度も確認しましょう。

旧バージョンのw8ben-e書類を提出してしまうと再提出を促されます。30日内に修正されていなければブラックリストに入れられてしまい源泉徴収の免税がされなくなりますので注意してください。

新規・更新・再提出の場合も含めて全て最新のバージョンのw8ben-e書類を提出してください。

それでは!

タイトルとURLをコピーしました